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給仕人
自分が満たされていなければ他人を満たし楽しませることは出来ない。
他人のティーカップを温かい紅茶で満たすことに忙し過ぎて自分のティーポットが空になりつつあることに気づかない。
気づいた時に...
これはブーツではない。
多くの人は何かを目にした瞬間、既にそれに対して思考や感情でレッテルを貼っている。
その定義付けは人生をつまらなくする。
ちょっとだけ立ち止まって、そのものをありのまま観ることができれば人生は...
尊厳
全ての人にその人の歩んできた歴史があり、経験から辿り着いた哲学がある。
その事に焦点を合わせる時、他人に対して尊敬の念が湧き、愛おしささえ感じることがある。
その感情は人間の本質へ戻るため...
咳 外からの異物に対する防御反応
本来、人には自分が望むもの全てを瞬時に創り出す能力が備わっている。
それは、冷たい風を吸い込んで小さな咳をひとつする程に簡単で、自然で、一瞬に…。
吸い込んだ風が冷たく汚染されたものであるほ...
訣別
自分自身とそれ以外を隔離する約0.4mmの壁。この布が自分を守っていると錯覚していた。自分の内面を隠し、他人の感情も受け入れない、傷つかないためのバリア。でも、ときどき感じる息苦しさに疑問を抱く...
Amanita muscaria〜ベニテングタケ〜
あの雨の日、私に傘を貸してくれた人…。
それ以来、私はその傘の下に立って居る。そこには甘い幻想が広がっていて冷たい雨の現実は私から遠ざかって行く。それはまるでベニテングタケの幻覚作用に似ている...
潜在意識
人は人生の節目で深い海にDiveする。その直後は無数の泡で視界は遮られ自分の状況がつかめない。しかし、次第に泡は引いて行き海水は古く凝り固まった思考を洗い流してくれる。
更に深く潜って行くと海...
バスルームの和解
凍える冬の夜に暖を求めてバスルームに駆け込む時のように、私はそのドアをノックした。
懐かしいその家は私に「おかえり」と返してくれた。
その瞬間、壊れて修復不可能に見えていたそれにはまだ明かり...